2月も半ばを過ぎますがまだまだ寒い日が続いています。日本海側は数年に一度レベルの暴風雪警報が発令されるなど、去年とは正反対のような気候となっていて、田んぼも畑もまだ雪の下です。
ですが春は確実に近づいていますし、やるべき仕事も変わりはありません。ちょっと作業場を整理していたりしたらあっという間に3月になってしまいます。段取りを確認してできる準備をしておけば心身ともにスムーズに仕事ができます。
稲作においては、県内外を問わず様々な特性を持った新品種が毎年のように発表されています。
管理の仕方や作業の時期に合わせた選択の幅が広がるという意味では良いことです。
そしてどんな品種でも最初の準備は一緒です。素質の良い種もみを選別して健苗を育ててやることが”高品質・多収穫”を目指す大切なスタートです。
一連の流れをおさらいしておきましょう。
塩水選
種もみを用意して最初にやるのが「塩水選(えんすいせん)」です。


品種に合わせた比重の塩水を用意して、軽くて浮いてきた種もみを取り除きます。
そうすることでデンプンを多く含んだ充実した種籾を選別できます。
[比重の目安]
| うるち | 1.13 |
| もち | 1.08 |
比重計がない場合は生卵の浮き具合で確認する方法もあります。
横向きに浮かんでいたら1.13、水中で立っている程度が1.08の目安です。
種もみは根を張るまでは自分の持っている栄養だけが頼りです。素質の良い充実した種もみを選ぶことが健苗育成の第一歩です。
塩水選後は種もみを徹底的に水洗いして水切りをしましょう。
消毒
病害虫の発生を防ぐために「種子消毒」を行います。
種もみを袋に入れて名札を付けておきます。このとき隙間に余裕をもって袋詰めすることがポイントです。
ギュウギュウ詰めだと中心部に薬液が届きづらくなってしまうからです。
薬液の作り方や消毒時間は薬剤ごとに確認して行ってください。
[ポイント]
- 井戸水などは種もみが変色することがあるので必ず水道水を使いましょう。
- 漬ける際には袋を良く揺すって薬液が均一に浸透しやすくしましょう。
- 催芽機を使用する場合は温度はかけずに循環運転のみとします。
- 消毒後は種もみの水洗いはせずに浸種に移行します。
浸種
消毒が終わったら、種籾が発芽に必要な水分を吸収させるために水に浸ける「浸種(しんしゅ)」を行います。
[ポイント]
種もみごとに吸水するスピードが異なります。10~13℃の水温で10日間ほどかけてじっくりと吸水させます。水温は高すぎても低すぎても良くありません。
最初だけは3日、その後は2日おきに水を更新します。
百津屋では浸種の最後の48時間に「ネバルくん」を投入してもらうことをおススメしています。
「ネバルくん」とは、根の発達が優れた土壌から見つかった微生物の代謝物で、安心安全な「微生物発酵有機物」です。
1Lと100mlの規格があり、500倍液で処理します。
目安としてネバルくん100mlで種もみ約40㎏分に使用できます。
使い方は簡単で、例えば浸種を10日間行う場合、9日目に水の更新と同時にネバルくんを規定量(例:水50Lにネバルくん100ml)入れて、そのまま10日目(48時間)まで浸種を行うだけです。
浸種後は水を入れ替えて催芽作業を行ってください。
これを入れるだけで「苗の根張りがバツグンに良くなる」と喜ばれています。手間はかからず、お財布にも優しいおすすめ商品です。
ボロボロと崩れる心配のない、マット状に張った根は見ていて気持ちがいいですよね。
●ネバルくんはAmazonでも手軽にご購入可能です
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催芽
十分に水を吸った種もみに温度をかけて発芽を促します。
「太い芽を揃えて出す」ことがその後の苗つくりに大きく関わってくるカギとなります。
催芽温度は30~32℃とし、芽が1㎜ほど出た状態に仕上げます。
[ポイント]
芽が出そうになるとモミが透き通って見えてきます。品種によって発芽までの時間が違いますので、タイミングを逃さないように注意しましょう。
芽止め
90%以上が発芽したところで「芽止め(めどめ)」を行います。
長く伸びた芽は種まきまでに折れてしまうことがあります。
余熱で芽が伸びすぎないように種籾が13℃以下になるまで水で良く冷やします。
温度が下がったら乾燥させます。
乾きすぎると「胴割れ」してしまうので、乾燥は必ず「陰干し」で行ってください。
複数の品種を広げて乾かす際には名札をしっかりと固定して品種がわからなくならないように注意しましょう。(よく風で飛んでいくようです)
種もみの準備はここまでとなります。
オススメ
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百津屋商店 代表:和田 一男
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