「ぼかし肥料」の意味 - 有限会社 百津屋商店

「ぼかし肥料」の意味

ぼかし肥料とは

ぼかし肥料は、有機農業や自然農法において非常に重要な役割を果たします。
有機物を微生物の力で発酵させることで作られる肥料です。
通常、米ぬか、魚粉、骨粉、油かすなどの有機物を原料とし、微生物の働きによって分解・発酵させます。
有用菌が死滅しないように50℃前後で十分に発酵させる「ぼかし」という作業を行います。
有機質肥料が急激に分解・吸収されてしまうのをぼかす(ゆっくり効かせる)ということが由来と言われています。

新鮮な有機物を土に投入すると、有機物をエサとする微生物が集まります。
→微生物が有機物を分解する際、土中の窒素分をエネルギー源として使用するため、作物用の窒素肥料が不足し窒素飢餓を起こします。
→こうした弊害を少なくした肥料が「ぼかし肥料」です。

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発酵の過程で有機物が分解され、植物が吸収しやすい栄養分に変わります。
さらに、発酵中に生成される微生物が土壌の活性化に寄与します。

ぼかし肥料の効果

ぼかし肥料は、植物に必要な栄養素を供給し、土壌の物理性を改善し、微生物の活動を活性化するなど、さまざまな効果を持っています。

栄養価の高い肥料

ぼかし肥料は、有機物を原料とし、微生物の働きによって分解されるため、植物にとって利用しやすい形の栄養素が豊富に含まれています。
即効性と持続性のバランスに優れており、優しい効き目が特徴です。

環境に優しい

ぼかし肥料は、有機物を原料としているため、化学肥料と比べて環境に優しいです。土壌や水質を汚染することがなく、持続可能な農業を実現するために重要な役割を果たします。

土壌の改良

ぼかし肥料を使用することで、土壌の物理性や化学性が改善されます。土壌中の微生物が活発になり、有機物の分解が進むことで、土壌の構造が改善され、保水性や通気性が向上します。また、土壌中の栄養バランスが整い、作物の健康な成長を促します。

ぼかし肥料の注意点

・ぼかし肥料は、発酵が不十分な場合、土壌を酸性化したり、作物に障害を与えたりする可能性があります。
そのため、購入する際は、信頼できるメーカーの製品を選ぶことと、施肥量を守り適切な時期に施肥することが大切です。

・ガスが発生して生育障害を起こすことや、ハエや野ねずみのエサとなってしまうこともあります。

・堆肥もぼかし肥料と同じように有機質肥料を土に混ぜて発酵させたものです。
ただし、ぼかし肥料よりも効果が出るまでに時間がかかります。

まとめ

ぼかし肥料は、とても効果的な有機質肥料です。ぼかし肥料も活用して、豊かな農業を目指しましょう。

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