初めての稲作にチャレンジする皆さん、ゆるっと農業入門をご覧いただきありがとうございます。
初心者にまず必要な知識は、「土壌を正しく知り、正しく管理」でしたね。
テーマ①では「稲作における土壌の役割と影響」
テーマ②では「稲作向け土壌のタイプと特性」を学びました。
土壌とは稲作の基盤でしたね。
稲作において、豊かな収穫を得るためには、健康な稲を育てることが不可欠です。
その鍵を握るのが「土壌改良」です。
この記事では、稲の健康を支える土壌改良の重要性と3つのポイントについて掘り下げていきます。
稲作土壌改良の重要性
テーマ③
土壌改良の重要性
水稲栽培において、土壌改良は不可欠なステップとなります。
土壌改良とは、「土壌の肥沃度を向上させるための活動」のことです。
この目的は、植物が育ちやすい環境を作ることで、将来的に豊かな収穫を得ることです。
土壌改良は、稲作の成功への確実な一歩です。
土壌改良は、ただ単に収穫量を増やすだけでなく、稲の健康を守り、環境にも配慮した持続可能な農業を実現するための鍵となります。
今後も新しい技術や方法を取り入れながら、土壌改良に取り組んでいきましょう。
「土づくり」は冷害や干ばつ、高温年等の異常気象条件下においても抵抗性が高まり、土壌の保水性や養分供給力が適正となるなど、高品質・良食味米の安定生産につなげることができます。1
土壌改良の3つのポイント
稲作×土壌改良
3つのポイント
稲作において、良質な土壌を作ることは、稲作の成果を左右します。
ここで、稲作に最適な土壌改良のための主なポイントを分かりやすく整理しましょう。
ポイント1: 物理的特性の改善
- 保水性と排水性: 土壌が適度な水分を保持し、必要に応じて効率よく水を排出できる能力は、除草剤の効果を最大化したり、根腐れのリスクを減らします。
- 保肥性: 肥料が流亡しにくい土壌は、肥料の効果を持続させ、肥料のコストを節約できます。
ポイント2: 生物的特性の強化
- 微生物の活動: 微生物は土壌内の有機物を分解し、団粒化を促進します(団粒構造)。
特定の有益な微生物は稲の健康な成長を促進し、病原菌の活動を自然に抑制し、健康な土壌を維持します。
また別の有用な微生物は、稲わらや落ち葉などの有機物を分解し、栄養素を土壌に供給します。
これらの微生物は、土壌の健康と肥沃度を向上させ、稲の成長に影響を与えます。
「土作りの主役」ともいえる存在で、微生物の活動量が土壌改良の速さにも関わってきます。
ポイント3: 化学的特性の調整
- 栄養分のバランス: 土壌中にバランスよく豊富な栄養分が必要です。
稲の成長に必要な栄養は元肥や追肥として肥料を施肥しますが、それだけでは不十分なことがあります。
特に高温や異常気象のような状況では、稲の栄養消耗が激しくなるため、施肥した栄養で足りない場合は土壌中の栄養分で補うことが出来ます。
NPKだけでなく、微量要素も重要であり、稲の健康な成長に不可欠です。
このようなポイントは密接な相互関係があり、それらを意識して改良された土壌は、様々な環境変化や予期せぬ事態にも柔軟に対応できる強さを持ちます。
まさに「田んぼの貯金」とも言えるでしょう。
豊かな収穫への「貯金」をたっぷりと蓄えることができます。
稲作における豊かな収穫への道のりは、健全な土壌から始まるのです。
稲作向け土壌改良資材について
土壌改良資材とは
ここまでで、「稲作と土壌改良は切り離せない」ということはイメージはついてきたかと思います。
具体的に土壌に何を施肥すれば良いのでしょうか。
田んぼの土の状態を知り、補充したい要素を見極めることで、資材選びがスムーズになります。
以下は、土壌改良資材と用途の一例です。
今後、資材選びの際に参考にしてください。
土壌改良資材の種類 | 用途(主たる効果) | 分類 |
---|---|---|
堆肥(モミガラ・牛糞) | 土壌の膨軟化・土壌の保水性の改善・土壌の保肥力の改善 微生物環境の改善・栄養素の補給 | 物理性 生物性 化学性 |
ベントナイト | 土壌の漏水防止 | 物理性 |
川砂 | 土壌の排水性の改善 | 物理性 |
タキアーゼS | 種多様な微生物群環境の改善 | 生物性 |
豊土サングリーン | 有用菌による有機物の分解・完熟堆肥化促進 | 生物性 |
綜合ミネラル宝素 | 微量要素・ケイ酸の補給 | 化学性 |
エフグリーン | 鉄・ケイ酸の補給 | 化学性 |
資材選び×施肥時期×施肥量×施肥方法などを初心者のうちに理解しておくと、2年目以降の土壌改良も上達していきます。
正しい土壌改良材の選択と適切な方法で、土壌の物理的、生物的、化学的特性を改善しましょう。
土壌改良の継続的な取り組みの重要性
稲作を楽しむことは
土壌改良を楽しむこと
土壌改良の継続性について
土壌はゆっくりと成長していきます。一度に大量の資材を投入してもそれが即時に反映されることはなく、逆に過剰な分が悪影響を及ぼすことさえあります。
反面、土壌が痩せる速度は非常に早く、1年のサボりを取り戻すのに10年かかるほどです。
土壌改良は一回きりの作業ではなく、稲作のサイクルと共に継続されるプロセスです。
季節の変わり目や作物のサイクルごとに、土壌の状態が変化するため、それに応じた対策が求められます。
例えば、収穫後の土壌は、栄養素が消耗していることが多く、適切な栄養補給を行うことが重要です。
やがて土壌の状態を定期的にチェックすることは、稲作の楽しみの一部となります。
土壌の状態を観察し、それに応じて手を加えることで、稲が成長する様子を目の当たりにする喜びは計り知れません。
稲作の楽しさは土壌改良と共に
稲作の楽しさは、料理の楽しさにも例えられます。
いろいろな種類の土壌改良材を使って、まるでレシピを試すように土を整える。
水持ちが悪いと感じたら埴土を少し足して、栄養が不足しているなら肥料や堆肥で味付けする。
自分で選んで改良することで、稲の育ち方が変わる。
それが上手くいくと、まるでおいしい料理を作ったみたいな満足感が溢れます。
このように、最適な改良材を選び適量を施すことは、稲作の成功を左右するだけでなく、農作業の楽しさを深める要素となります!
まとめ
稲作における土壌改良は、保水性、排水性、保肥性、微生物の活動、栄養のバランスを整えることが重要です。
収穫量や品質を向上させるために不可欠です。
そして稲の健康を守り、農業を楽しむための大きな大きな一歩となります。
新しい技術やアイデアを取り入れながら、土壌改良を楽しんでいきましょう。
初心者にまず必要な知識は、「土壌を正しく知り、正しく管理」です。
引き続き、ゆっくりと学んでいきましょう。
シリーズについて
「年齢不問!稲作で食べていく!農業0~1年生×稲作×土づくりをしっかり学ぶ15本」
このシリーズは、稲作について何から手をつければよいか分からない農業未経験・稲作農業0〜1年生のための基礎ガイドを投稿しています。
なんとなく稲作農業に興味が湧いてきた、異業種から農業に意を決して転身、代々農家の後継ぎを決意、農業無知で稲作農家に嫁ぐ・・・などきっかけは様々でOK。
基本から学ぶ土作りのステップをなるべく楽しく学べて実践へ活かせるように、わかりやすく解説していきます。
稲作初心者の方のお役に立てたら何よりです。
百津屋商店 代表:和田 一男
稲作の教科書に載っていない秘訣を伝授します!
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