新潟県下越地区では”コシヒカリ”の穂が出始めてきました。
この時期に大切な水管理、「出穂水」といわれるものについてお話します。
出穂水とは?
稲は出穂から開花、受粉をするまでが最も水を必要とします。
この時期に入れておく水のことを「出穂水」または「花水」といわれています。
稲作をしている方には当たり前かもしれませんが、稲も花をつけ受粉するんですよ。
つまり、受粉がうまくいかないとお米はできないのです。
空気中の湿度が高いほど、受粉はうまくいきます。
稲への水分補給と空気中の湿度を上げるために「出穂水(花水)」は必要不可欠なのです。
いつごろ入れるの?

穂が見え始めるのが「出穂始期」
全体の50%の穂が出るころが「出穂期」
ほぼ全体の穂が出たら「穂揃い期」と呼ばれます。
出穂水は、穂が出そうになったら入れ始め、穂揃い期まで水を絶やさないようにしておきます。
この時期は基本的に気温が高いため、浅水程度ではすぐに”お湯”状態になってしまいますので、タップリと水を張っておくようにしましょう。
また、2~3日に一度は水の入れ替えをした方が良いです。
水を入れる時の注意(夏編)

出穂水に限ったことではありませんが、田んぼに水を入れる際に注意しなければいけないことがあります。
それは、田んぼと用水の「温度差」です。
例えば、バーベキューなどで熱々になった鉄板に冷たい水をかけると反り返ってしまいますよね?
急激な温度差によって収縮、変形してしまう現象です。
田んぼでも同じことが起こります。
稲の根が切れてしまい、最悪の場合すべて枯れてしまいます。
日中、あまりにも暑くて「稲がかわいそう」と思い、すぐに水を入れてあげたら翌日にはどんどん元気が無くなり、そのまま枯れてしまった。ということが実際にありました。
水を入れるなら、地温と水温の差が小さい時間帯、夜や朝方が良いでしょう。できればそれぞれの温度を測ってほしいです。
稲を生かすために
これからの水管理は米の収量や品質(等級)に大きく関わってきます。
刈取作業を優先しすぎて落水時期を早めすぎると、登熟歩合などが低下する原因になってしまいます。
出穂水(花水)の後もできるだけ間断かん水を続けてあげられると良いでしょう。
