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【稲作】収量・品質アップのために穂肥を考えましょう

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新潟ではコシヒカリをはじめとする中生品種の穂肥の時期になりました。

今年(2025)は”空梅雨”状態でほとんど降雨がなく、気温も高い日が続いています。
稲の消耗も激しく、見る見るうちに色が褪めていっているのではないでしょうか?

少し振り返ってみると、春先は雨が続き土が乾かず、無理やり耕運して田植えを迎えた田んぼが多かったですね。

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土の中の状態はあまり良くなく、田植え後の苗はなかなか生育が進みませんでした。
それによって肥料の消化も遅れ、6月時点では穂肥までに葉色が褪めてくるのかと心配していたほどでした。

現在の状況

新潟農業普及指導センターの発表した情報によると

「コシヒカリ」生育状況(2025年7月17日現在)

  • 草丈: 78㎝ 「やや長」
  • 茎数(本/㎡): 385 「少」
  • 葉数: 12 「並」
  • 葉色(SPAD): 30.0 「淡い」

ということになっています。

実際、我々が穂肥診断のために圃場を回ってみると、草丈はもう少し長くなっている印象ですが、おおよそ発表の通りに感じています。

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葉を剝いて確認してみると、「第4節間が約7㎝、幼穂が約4㎜」くらいが平均でした。
去年に比べると草丈・第4節間は安全圏の長さと言えます。幼穂の進み具合(出穂)は2~3日ほどゆっくりではないでしょうか。

穂肥の選択

総合的な判断により、現時点では穂肥を2回(出穂の18日前と11日前)やってもらうことにした圃場が多かったです。

「とにかく倒伏を避けたい」「食味を重視したい」などのお客様の希望と圃場ごとの診断によって、使用する肥料と施肥量を判断しました。

使用した肥料トップ3

  • コーボしき島9号: 無理なく効いてくれる万能肥料。有機複合で食味も向上
  • 銀河エース: 有機含有量が多く、食味重視の穂肥に向いている
  • 果菜ちゃん: ボカシ肥料。動物性の原料も使っているため、効き目も見える。秋落ち田に向いている

今後の管理について

今は稲が最も水を必要とする時期です。

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飽水状態(土が100%水分を含んでいる状態)を保ち、出穂の前後にはたっぷりと水を張るように管理しましょう。

天気予報を見ていても雨が降る気配はなく、まだまだ暑い日が続きそうです。
いかに地温を下げて稲の消耗を抑え、根や葉を活かすかが課題となります。
出来る限り水の入れ替えを行うことが有効ですが、日中に水を入れ始めるのは温度差で根が傷むので、出来るだけ遅い夕方か朝方に行うようにしましょう。
十分に水が来ない場合にも、水が少しでも動いている状態にできれば温度の上昇を防げます。

米の需要が高まっていますので、最後の仕上げを頑張って実りの秋を迎えましょう!

   

著者情報

和田 浩一
       

和田 浩一

       

2005年に入社し、施肥技術指導員、一般毒劇物取扱者の資格を取得。
お客様の田んぼや畑でのお悩みを聞き取り、わかりやすい指導を心がけています。 ホームページにて農家の皆さんのお役に立てる情報記事を発信中。

趣味で事務所に展示しているメダカ・熱帯魚水槽にはお客様から「癒される」とお褒めいただいています。

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