初めての稲作にチャレンジする皆さん、ゆるっと農業入門をご覧いただきありがとうございます。
米作りにワクワクしてきましたでしょうか。
これまで、稲作にとって土壌がなぜ大事なのか、土壌を知ることでもたらされる大きな影響、土壌改良で導かれる稲作成功への道などを学んできました。
前回の記事では「種まき前の準備ガイド_塩水選〜芽止め」を学びました。
お米の苗が芽吹く準備ができました。
次のステップは、種まきのタイミングを見極めることから始まります。
テーマ⑩
種まきの最適な時期
稲作のスタートは、正しいタイミングで種をまくことから始まります。
稲作初心者でも種まきのタイミングをバッチリ見極められるよう、稲作初心者が押さえるべき必要な知識とポイントを分かりやすく解説します。
豊作への第一歩を、共に踏み出しましょう。
なお、今テーマ内では「苗箱育苗用」の場合として解説していきます。
なぜ種まきはタイミングが重要なのか?
稲作の成功は種まきにあり!
稲作において、種まきのタイミングは非常に重要です。
一年の努力が実るも実らないも、この判断一つにかかっています。
適切な種まきのタイミングで種をまくことで、最適な苗の状態で田植えができ、多収穫が期待できます。
種まきのタイミングが早すぎると苗が老化したり、逆に遅すぎると田植えも遅れてしまいます。
どちらも田植え後の生育に影響を及ぼすことになります。
以上のように、稲の種まきのタイミングの重要性についてご理解できましたでしょうか。
種まきのタイミングが外れると収穫量が減少する可能性があるため、収入へ影響します。
苗の素質、田植え後の生育、そして最終的な収穫量に直接影響を与えるため、正確に見極めることがとても重要となります。
種まきのタイミングを見極めることにも集中しましょう。
稲作の種まき:最適なタイミングはいつ?
田植え日が決まれば
準備日程も決まる
田植えは、一般的に春の温かくなり始める時期、霜が降りる心配がなくなってからが目安とされます。
- 田植えの予定日を確認:
地域の気候や品種の特性を考慮し、田植えを行う予定日を決定します。 - 育苗日数を逆算:
選んだ稲の品種に推奨される育苗日数を基に、田植えの予定日から逆算して種まきの日を決定します。
例えば、育苗期間30日の品種の場合、田植えの予定日から30日前が種まきの適切なタイミングとなります。
具体例(※新潟県下越地域)
ゴールデンウィーク中に田植えの場合、田植え予定日から逆算して、4月第1週か2週目に種まきをしました。
大切なのは、現在の状況を正確に把握し柔軟に対応することで、被害を最小限に抑え、収穫を目指すことができます。
気候は重要な判断材料
気候を知るための情報収集
都道府県発信の情報
当店の地域、新潟県「新潟農業普及指導センター」からは随時こういった情報発信がされています。
初心者にとっても有益なタイムリー情報が流れています。
地域の情報収集にもぜひアンテナを貼るようにしてみてください。
もう一つ、新潟県情報のご紹介ですが、「にいがた米づくりナビ」というメールマガジンがあります。
農業者の方が気象変動等に対応した栽培管理が行えるよう、新潟県が稲作管理対策等を配信するメールマガジンです。
お住まいの都道府県、地域の情報をキャッチして今年の農業を組み立ていきましょう。
気象庁のHPでは、最新の気象データはもちろん、過去の気象・気温・降水量・日照時間データも見ることができます。
近隣エリアの気象データを見てみるのも多くの学びがあり、計画を立てるヒントとなるでしょう。
地域の情報収集は、適切な種まき時期や栽培方法を判断するために重要です。
上記の情報を参考に、しっかりと情報収集を行いましょう。
種まきのタイミングを決定する際には、地域の気候条件を考慮することが重要です。
初心者のうちは必ず地域の先輩農家、農業指導機関などに確認するようにしましょう。
新潟県の方でしたら、お気軽に当店へご相談ください。
種まきの「準備期間」も算出
田植えがスタートではない
丁寧な準備が実を結ぶ
さて、ここまでは「種まき」のタイミングについてお話ししました。
種まきのタイミングを決めたら、そこから逆算して「準備期間」を検討しましょう。
前回学んだ通り、「種まき前の種もみ準備」が必要です。
具体的には、種もみの塩水選・消毒・浸漬・発芽・芽止めをしてから種まきをすることとなります。
その日程もスケジュールを立てて、取り組んでいきましょう。
初心者に伝えたい「苗半作」
たった3文字で稲作を語る
「苗半作(なえはんさく)」という言葉をご存じでしょうか。
「苗半作」とは、「良い苗をつくることが豊作の半分を決定する」という意味を表す、古くから伝わる稲作のことわざです。
苗作りの段階で、作物の健康と生育の基礎が築かれます。
良質な苗は、生育が旺盛で、最終的な収穫量や品質に大きな影響を及ぼします。
逆に、苗作りが不十分だと、作物は生育初期から不利な状況に置かれ、収量減少や品質低下のリスクが高まります。
「苗半作」の概念は、稲作農業における成功のための基礎とも言えます。
お米を主食とし、稲作を繰り返してきた人々によって語り継がれてきたこの3文字は、現代の稲作でも常に頭に置いておきたいですね。
「苗半作」という言葉が教えてくれるように、稲作における種まきは、決して軽視してはいけない重要な工程です。
今回ご紹介したポイントを参考に、一つ一つの作業を丁寧に進めることで、健全な苗を育てて稲作を成功させましょう。
まとめ
初めての稲作に挑戦する皆さんに向けて、土壌の重要性や適切な種まきのタイミングについて解説してきました。
手間と時間をかけ、しっかりと準備をすることで、後の生育がスムーズになり、高品質な米を収穫することができます。
- 種まきのタイミングは田植えの日程から逆算して決定しますが、最終的な判断はその年の気象条件によって異なります。
- 天気予報や地域発信の情報を駆使して、田植えの日程を決定しましょう。
- 地域の気候に適した種まきの準備期間を設け、種もみの準備から着手しましょう。
「苗半作」という言葉に込められた意味を忘れずに、良質な苗を育てることが豊作へのカギとなります。
初心者の方は、地域の気象条件や農業指導機関からの情報を活用しながら、稲作の基礎から丁寧に学び、実践していきましょう。
今回の記事のように、農業には天候など不確定要素が多く存在しますが、適切な知識と準備によって、これらの挑戦を乗り越えることが可能です。
この記事が、稲作を始める皆さんの役に立ち、美しい稲穂が実る未来への一助となれば幸いです。
焦らずゆっくりと学んでいきましょう。
補足
- 本記事はあくまでも一般的な指針であり、地域や品種、栽培方法によって最適な方法は異なります。専門家への相談や地域の慣習を参考に、臨機応変に対応してください。
シリーズについて
「年齢不問!稲作で食べていく!農業0~1年生×稲作×土づくりをしっかり学ぶ15本」
このシリーズは、稲作について何から手をつければよいか分からない農業未経験・稲作農業0〜1年生のための基礎ガイドを投稿しています。
なんとなく稲作農業に興味が湧いてきた、異業種から農業に意を決して転身、代々農家の後継ぎを決意、農業無知で稲作農家に嫁ぐ・・・などきっかけは様々でOK。
基本から学ぶ土作りのステップをなるべく楽しく学べて実践へ活かせるように、わかりやすく解説していきます。
稲作初心者の方のお役に立てたら何よりです。
百津屋商店 代表:和田 一男
稲作の教科書に載っていない秘訣を伝授します!
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