2025年の新潟の春は農家には悩ましい天候でした。
特に4月に入ってからは雨が続き、晴れたと思っても土が乾く前に次の雨が降るといったふうで最初の耕運作業がなかなかできない状態でした。
待ちきれずにぐちゃぐちゃな状態の土を耕運しているトラクターを多く見かけました。
濡れた土を耕運すると後が大変

畑においては濡れた土を耕運機でこねることによって粘土のような状態になり、それが乾いてくるとカチカチの一枚岩のようになってしまいます。
一度このようになると再び土を細かくするのにとても労力が必要になってしまいます。
陶器を粉々になるまで叩くようなものですね。とても大変な作業です。

田んぼにおいては本来固まった土を掘り起こして砕いていくはずのものが、ロータリーで代かきをしたような状態になります。
その後に通常の代かきを行うわけで、土は目詰まりをした状態に陥ってしまい、田植え後の生育に大きく影響することになるでしょう。
できる時にやっておく
今回のようにいつものタイミングで耕運できない場合、上記のような弊害を承知で作業を進めるしかありませんね。
しかし、一年を通じて土が乾かないということは無いはずです。
収穫後、土の乾いた時に一度耕運をしておくことで最悪の事態を回避しやすくなります。

例えば田んぼでは、収穫後に土が乾いたらなるべく早く秋起こしをすることで春の作業を1つ減らすことが出来ます。
加えて刈り取り後の稲株も秋の地温が高いうちは土中の微生物が分解してくれます。そうすると田植え後のワキが抑えられ初期生育がスムーズになります。
可能であれば春にもう1度耕運しても良いですし、今回のように土が乾かない状態が続いている時には代かきのみで仕上げても問題ありません。
排水の工夫
土が乾きやすいようにするには、土中の水をできるだけ排水したほうがいいですよね。
水は低い方に溜まっていきます。
田んぼのように排水口がない畑では、クワなどで溝を作りその先に穴を掘っておくことで水が一か所に集まりやすくなります。


溜まった水はバケツなどで散らしてください。
この作業は田んぼで排水しきれない時にも有効です。
これをやるとやらないとでは土の乾き具合が大きく変わってきます。
以上のような対策を活用して天候に負けない野菜作り・稲作りをスタートしましょう!