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【稲作】令和4年の稲作を振り返る

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みなさん、稲刈りは終わりましたか?

百津屋の周りでは多くの農家さんが作業を終えられて、来年の稲作へと気持ちを切り替えられています。

10月15日時点で新潟県における作況指数は、平年並みの「100」になる見通しです。

昨年の「96(やや不良)」から回復し、ホッとしています。

しかしながら本年も、特に稲作後半では気象に悩まされる状況でした。

そういった気象条件を踏まえて今年の稲の生育を振り返ってみましょう。

5月 ~田植え後の初期生育~

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ゴールデンウィーク中は天気も良く、順調に田植えが出来ました。

しかしその後、25日ころまで曇りの日が多く、生育が停滞気味でした。

1日の平均気温も若干低かったようです。

地温が上がらずに初期生育の遅れの原因となりました。

いつまでも植わったままのような姿でいる苗がかわいそうでした。

それが月末になると、急に天気が回復して気温も上がりました。

そのおかげで停滞気味だった苗も一気に生育が進みました。

6月 ~生育が加速~

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気温は一時落ち着きましたが、梅雨時期にもかかわらず雨の少ない6月でした。

「このあたりはいつも、まわりが『梅雨明け宣言』してからやっと降るんだ」

なんて言っていましたが、本当に降らないまま梅雨が明けました。

観測史上最速の梅雨明けだったようです。

そこへきて6月中旬からは再び気温が上がり始め、下旬にはとうとう30℃を超える日がありました。

稲の生育は加速し、このままでは過繁茂の軟弱徒長になる恐れがありました。

そのため、出来すぎないように「早めの中干し」が必要とされました。

同時に「マグホス」のようなリン酸肥料、「ミネラル宝素」のようなケイ酸・微量要素資材をしっかり施肥することで、立派な稲体に仕上げることが出来ました。

7月 ~早めの穂肥~

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6月からの高温は7月になっても収まることがなく、真夏日が続きました。

雨の日は少なかったですが、降りだすと土砂降りで川の水位が一気に上がっていました。

稲の生育は旺盛なまま、葉色は濃すぎるわけではありませんでしたが、なかなか薄まりませんでした。

穂肥診断のために茎をむいてみると、やはり幼穂形成が早まっていました。

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昨年(令和3年)並みに出穂が早まると予想して「穂肥」を早めに施肥してもらうよう指導しました。

8月 ~不揃いの稲たち~

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8月、いよいよ出穂の時期です。

早生品種は7月後半には出穂していましたが、コシヒカリや新之助といった中生・晩生品種はこれからというところです。

気温は7月から引き続いて高いままでした。

さらに「夜温」も高く、稲にとっては過酷な状況でした。

稲は穂に栄養を送る作業を、涼しい時間に活発に行います。

それが夜温が高いままだと、体力維持に消耗してしまい十分な栄養を送れなくなってしまいます。

地域差・圃場差はありますが、その影響を大きく受けた田んぼほど穂揃いが悪かったのではないでしょうか?

また、大きな穂をつけている稲も少なかったように思えます。

水のかけひきで地温の上昇を抑えたり、消耗して足りなくなった肥料分を追肥してあげられれば良かったのでしょうが、誰でも、どこの田んぼでもできることではありませんでしたよね。

ただし、ここに至るまでに健全で丈夫な稲体に仕上げておくことで、収量や品質が気象で左右されづらくなることでしょう。

地力のある土作りも同じです。

さて、穂肥診断をした時の予想よりも穂揃いがずれてしまいましたが、ここから気象が変わってきました。

お盆に入ると雨の日が続くようになりました。

雨が降っている間はお日様が出ません。つまり「光合成」の効率が非常に悪くなります。

稲にとっては穂に栄養を送って米を実らせる大切な時期に、この天気は非常に影響を与えました。

9月 ~収量・品質はどうだった?~

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お盆からの天候不順が続いたまま9月に入りました。

ここまで台風による影響はほとんどありませんでした。

しかしここにきて、台風11号(9月5~6日)、14号(9月18~19日)による「フェーン現象」で異常高温・異常乾燥状態にさらされることとなりました。

特に台風11号(9月5~6日)以降は稲が一気に弱っていったように見えました。

もともと余裕のなかった体力をしぼりとられ、日に日に倒伏していく稲に、米を充実させる能力は残っていなかったかもしれません。

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稲刈り後に農家さんに尋ねると「粒張りが今一つ足りない気がする」とおっしゃっていました。

収量は、冒頭に述べたように平年並みの「100」でした。

品質は、高温の影響を長く受けた早生品種や早めに出穂したコシヒカリでは2等の割合が若干多かったものの、全体の1等米比率は悪くなかったようです。

結果だけを見ればそこまで悪くない作だったように見えますが、個人的にはモヤモヤと頭を悩ませる1年でした。

当たり前ですが気象条件は毎年違います。つまり状況に合わせた管理をしてあげなければ稲は何かしらの影響を受けます。

「土作り」をしっかりしておくことでその影響を緩和してくれる効果があります。

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毎年続けることで肥沃な作土が出来上がっていきます。

地力がある田んぼなら、施肥の加減にも選択肢が増えてきます。

もう一度土作りを見直してみませんか?

百津屋代表

百津屋商店 代表:和田 一男

新潟県で50年。
教科書に載っていないようなコツでサポートいたします!
お気軽にお問い合わせください!!
   

著者情報

和田 浩一
       

和田 浩一

       

2005年に入社し、施肥技術指導員、一般毒劇物取扱者の資格を取得。
お客様の田んぼや畑でのお悩みを聞き取り、わかりやすい指導を心がけています。 ホームページにて農家の皆さんのお役に立てる情報記事を発信中。

趣味で事務所に展示しているメダカ・熱帯魚水槽にはお客様から「癒される」とお褒めいただいています。

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