2021年も自粛気味のゴールデンウィークが明けました。
新潟県阿賀野市では田植えに関しては例年の通り、4月末から5月の連休にかけて行われていました。
植えられる苗を見るに、今年は全体的には伸びすぎず障害も少ない出来だったのではないでしょうか。
育苗中の気候と合わせて振り返ってみます。
令和3年の育苗の特徴
4月初旬の種まき後は穏やかな日が続き、出芽から1葉展開まで順調に進みました。
換気が不足だったところでは苗が伸びすぎてしまったり葉先が焼けてしまったりしていました。
後々そのツケがまわり、20㎝を超えるような苗の伸びすぎた葉先を刈りこむ措置をとった方もいらっしゃいました。
最初に伸ばしすぎると腰が高くなり、新しい葉を出す度により高く昇って行かなくてはならなくなります。
エネルギーの消費も大きくなりますし、全体的に草丈が長くなってしまいます。
中旬以降になると最低気温が5℃を下回るような寒い日が多くなりました。
そのせい(おかげ)で、苗の生育が停滞気味になり「短すぎる!」という相談が多々ありましたが、その中の半分くらいは割とちょうど良い長さ(10~13㎝)でとどまっているようでした。
本当に短すぎるときには気温が下がり始める前に早めにハウスを閉めて保温に努め、特に夜温が10℃以下にならないように高く保ってあげればすぐに草丈は伸びます。
植えられた苗が水没してはいけないと心配して草丈を伸ばしたがる方がいらっしゃいますが、稲というものは丈夫なもので、葉先が少しでも水面から出ていれば全く問題ないですし、完全に水中に潜っていても数日は生きています。
そもそも田植え後は活着を早めるために地温を上げなくてはいけません。ですから強風や超低温の場合を除き、「浅水管理」で地温上昇を促進させます。
なので草丈は無理に伸ばす必要はないわけです。
苗の出来でスタートが変わる
これからは本田での管理となりますが、健全に育った苗は活着も早いです。
活着の遅いものでも稲刈りの時期はそんなに変わりません。
つまり早くスタート(活着)した苗のほうが生育日数が長くなり、より充実した米を実らせることができるわけです。
毎年気候は変わりますが、基本となる温度管理を理解して理想の苗姿を目指したいものです。
番外 老化と肥料切れ
これは少し番外ですが、「老化&肥料切れ」の苗です。
苗代での生育期間が長くなり、老化苗になってしまっています。
”稚苗”で植えるための管理をしたものは生育が進みすぎるとどんどん環境が悪くなっていきます。
そのうえ追肥もべんとう肥もなく植えられた苗は体力を消耗しきってしまっています。
今回は発根促進と上層からの窒素補給をねらった肥料「マキシム(5-10-4-Mg2)」を施肥してもらうことにしました。
スムーズな活着をさせるためにも必要に応じた施肥管理と適期田植えを心掛けましょう。
百津屋商店 代表:和田 一男
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