暖かい日が続き春がやって来ました。新潟では桜の開花日が観測史上最速を記録しました。百津屋の桜も見事に花を咲かせています。

4月に入ると種まきが始まりますね。
ほとんどの場合、種まき後はハウスに並べて育苗していきます。
昔から「苗半作」といわれ、苗つくりが稲の出来の半分を左右します。
健全な苗を育てるためにはいくつもの注意事項がありますが、今回は「温度管理」についてお話しします。
はじめに
温度の調べ方として、ハウスの入口・中央・反対側の3か所のなるべく低い位置に温度計を吊るすようにしましょう。
ハウス内は陽の当たった分だけ温度が急上昇します。入口や脇を開けて風を通すことで温度調節をします。
自分のハウスは場所によってどれくらい温度差ができるのかを知ることも必要です。
段階別の温度管理
出芽揃い
育苗期を使わない場合、”出芽揃い”までの温度管理から始まります。
この時は被覆資材の中に温度計を置いて温度を調べるようにします。
出芽の適温は「28~30℃」ですが、35℃以上は高温障害を受ける危険温度ですので気を付けましょう。
14℃以上あれば芽は出るので、こまめな調節ができない時は脇のビニールをある程度開けて温度が上がりすぎないようにしておくこともコツの1つです。
シルバーポリトウを使っている場合は、”焼け”の原因になるので出芽したらすぐに取り除きましょう。
緑化期
出芽後は不完全葉を弱い光に当てて緑色にする”緑化期”です。
温度管理は、日中は24~26℃、夜は16~18℃で管理します。
緑化までの数日間は10℃以下では生育が止まってしまうので特に夜温には注意しましょう。(早めに閉めて保温する)
硬化期.1
緑化が完了したら、第1葉(不完全葉の次の葉)が展開するまでに外気に慣れさせて苗を硬くしていく”硬化期”になります。
ここからは特に「低温育苗」を心掛けましょう。
「田植えの時にもぐらないようにもう少し伸ばしておきたい」といって高めの温度で管理すると、腰の高い”徒長苗”の原因になってしまいます。
温度管理は、日中は20~25℃、夜は10~15℃で管理します。
硬化期.2
第2葉が展開するまでには、さらに外気に慣れさせていきます。
温度管理は、昼は20℃前後、夜は10~15℃で管理します。
播種量が多いとこの頃からだんだん”密”になってきて、極端な温度や湿度の影響を受けやすくなってきます。
順化期
2.5葉くらいで田植えの準備が整います。最後はそれに向けて”順化”させていきます。
温度管理は、基本的にはビニールはすべて開けて外気温と同じ状態にします。
強風の日などは風上側を閉めるなどして、苗が強く揺らされないようにしましょう。
まとめ
育苗時の温度管理をまとめると以下の表のようになります。
| 45℃ | 苗が焼けて死滅します |
| 35℃ |
生育の高温限界です 生育が停止して高温障害を受けます |
| 30℃ |
高温注意です 30℃以上にならないように朝早く換気しましょう |
| 10~25℃ |
健苗育成の適温です 低温育苗で丈夫な苗にしましょう |
| 5℃以下 |
生育の低温限界です 温度が下がりすぎる前に夕方は早めに閉めましょう |
ハウスに苗箱を入れた時から温度管理は始まっています。
低温でじっくりと育ててあげることで、背が伸びすぎず茎が太い”ずんぐり苗”に仕上げることができます。
素質の良い苗は活着も早く、その後の生育も順調に進みます。
あまり可愛がり過ぎず強い苗を育てるように心掛けましょう。
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